長時間露光にチャレンジ!
2016.02.10どうもこんにちは、保井崇志 @_tuck4 です。
ある程度の期間いろいろな写真を撮っていると、足の伸ばせる範囲(ロケーション)で撮れる写真に行き詰まったり、新鮮味を感じられなくなってしまった、なんて方も多いかと思います。もちろん新しい場所へ旅したり、新しい写真のジャンルに挑戦するのが直球コースなんですが、今回はいわば変化球ということで、長時間露光についてお話ししていきたいと思います。
夜の車の流れがビームのようになったり、渓流がシルクのように柔らかく写ったりする写真がありますよね。これらが長時間露光で撮った写真で、目の前の光景とは違った新しい世界が広がります。
シャッタースピードについて
シャッタースピードとはシャッターのおりている時間のことで、多くのデジタル一眼カメラは30秒~1/4000秒、かつバルブ(シャッターを押し続けられる設定)があります。
このシャッタースピードが遅いと手ぶれの原因になります。1秒とかだとブレブレ写真量産になりますね。だいたい1/100秒が手ぶれのしないラインだと思ってください。
反対にシャッタースピードが早いと、手ぶれしないだけでなく、動きのあるものが止まって見える写真になります。人が浮遊しているように見える写真がありますが、あれは普通にジャンプしている人が早いシャッタースピードによって止まって見えるということなんですね。この浮遊写真はだいたい1/500秒がラインだといわれています。
さて、この長時間露光なんですが、ようはシャッタースピードを遅くする撮影方法のことです。数秒から、長いときは数分、数十分なんてケースもあります。カメラはMモード(マニュアル露出)という、絞り、シャッター速度、ISO感度を撮影者がすべて調整するモードで撮影することになります。
三脚は必須
長時間露光はシャッタースピードを遅くするので、三脚は必須です。ちなみにじぶんはVanguard社から提供を受けて、「VEO 265CB」というカーボン製の三脚を使っています。軽くてコンパクトなので、かなり重宝しています。
あとは、バルブ撮影でシャッターボタンを押し続けるのは大変なので、レリーズがあると便利です。シャッターを押すさいの微妙な手ぶれを防ぐだけでなく、撮影時期が冬だと手をポケットに突っ込んで防寒しながらシャッターを押せますしね。
NDフィルターをゲットしよう
NDフィルターとは被写体の色に影響することなく、光の量だけを減らすフィルターです。いろいろ種類があるのですが、じぶんが使っているのはKenkoの「PRO ND200」です。7.7絞り分減光なのでかなり暗くなります。暗くなるということは、それだけ長くシャッターをおろすことができます。
完全に夜になってしまえば、NDフィルターはいりませんが、夜明けや夕暮れ時はNDフィルターをつけて、その時の明るさによって絞りやISOを調整します。この記事の長時間露光の写真は全て設定つきで公開しますので、参考にしてみてください。
夜明けか夕暮れ時がオススメ
「長時間露光というと夜撮るのかな」と思いがちですが、前述したNDフィルターをゲットして、夜明けか夕暮れ時に撮影するのがオススメ。まだ完全に暗くなりきっていないので、夜だとベッタリ黒くなってしまう部分も解像するんですね。具体的には水や雲の流れが綺麗に写ります。さらに西日や朝日の色が残っているとドラマチックな雰囲気になります。
長秒時ノイズ低減はオフにする
最後にちょっとしたTipsを。長時間露光では撮影後にしばらくカメラが操作不能になることがあります。これはカメラ内の「長秒時ノイズ低減」という機能が働いているからで、これはオフにしておきましょう。夜明けや夕暮れ時の空は一瞬にして色が変わっていくので、次々撮影するためにはあらかじめ設定からオフにしておく必要があります。三脚を使っているので低ISOで、かつ後処理でLightroomを使ってノイズの対応を。
最後に
いかがでしたでしょうか。冒頭にて「変化球」と表現しましたが、もちろん長時間露光をとことん極めてみるのも面白そうですよね。RECOでもおなじみ、500pxのトップページには必ずといっていいくらい長時間露光の写真が混じっていますし、絵画的な表現はなかなかハマりますよ。準備や経験が必要になりますが、ぜひチャレンジしていつもと違った景色を残してみてください。
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