デジタルが夢見たフィルム感
2016.05.27RECOをご覧の皆様、はじめまして@taishi_arashidaと申します。デジタル一眼で撮った写真をフィルム風に加工して楽しんでいます。
フィルムの魅力
さて、デジタルカメラの出荷台数がフィルムカメラを逆転したのは2000年、今から何と16年も前にさかのぼります。にも関わらず、フィルム独特の色合いや質感に魅力を感じ、今もフィルムカメラを使って写真を撮られている方がたくさんいらっしゃいます。
かくいう僕も、デジタルカメラのパキっとした画像とは真逆の、少しファジーだけれど空気感や湿度が感じられる写真に魅了され、PENTAX67やROLLEIFLEXなどの中判フィルムカメラを使っていました。
ROLLEIFLEX 2.8F | KODAK PORTRA 400
フィルムの短所
ところが、上のような中判カメラはフィルム1本で10枚〜12枚しか撮れず、ランニングコストが結構かかるというデメリットがあります。たえず動き回る子供たちを連射しながら撮影しているお父さんの財布にはけしてやさしくありません。
そこで、何とかデジタルカメラでフィルムの質感が表現ができないか試行錯誤しています。
フィルム風とは?
ひと口にフィルムと言っても、ポジフィルムとネガフィルムでは全く違いますし、フィルムの銘柄によっても雰囲気は大きく異なります。「フィルム風」と言った時にイメージする絵は人によってまちまちかと。
僕はと言うと、KODAK社のネガフィルムPORTRA(ポートラ)のどことなくノスタルジックな風合いが大好きで、インスタグラムなどを見ていても気になる写真はPORTRAで撮られたものばかり(笑)
フィルム風の調整
例えば下のようなデジタル一眼レフで撮った写真。これはこれで一般的にはキレイかと思いますが、これをKODAK PORTRA風に調整してみます。
EOS 5D Mark III
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こんな感じになりました。ついでにアスペクト比も3:2から、中判カメラをイメージして6:7にトリミング。
こういった画像調整は、人それぞれの方法論があるかと思いますが、僕の場合は主に次の2点を調整してアナログ感を出しています。
1. 色のバランス
どうもデジタルとフィルムでは強く出る色と弱く出る色のバランスが異なるようです。
例えば、フィルムはデジタルと比べてグリーン系の彩度が低いとか、デジタルは空の色においてマゼンタが強いなどの違いです。上の写真も、元画像は空が少しマゼンタっぽいですよね。これをRAW現像ソフトの色相や彩度のパラメータを調整して追い込みます。
2. ハイライトとシャドウの色かぶり
影などの黒い部分が黒く写るデジタルに対し、フィルムの写真はシャドウ(暗部)にグリーンっぽい色がのることが多く、これがフィルム写真のファジーな雰囲気に一役買っていると考えています。
現像ソフトにもよると思いますが、Lightroomで言うと「明暗部別色補正パネル」からシャドウにグリーン系の色をかぶせます。好みでハイライト側にイエローを足すと、レトロっぽさが増します。
後は全体感を見ながら、トーンカーブ等を使ってハイキーにしたり、ローキーにしたり。またホワイトバランスをデイライトフィルムの色温度5500Kにしてみたりなどの微調整を行います。
これらの点を踏まえてRAW現像した写真がこちら。
いかがでしょうか。自画自賛で恐縮ですが、それなりにフィルムっぽくなったと思います。
終わりに
「それ、全部VSCO FILMのプリセットで簡単にできるよ」と言われると答えに窮しますが(汗)、これからも自分の好きな色合いを追求していけたらと思います。
以上、長文のうえ乱筆となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!
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