京もの認定工芸士 伊庭拓也さんの金属工芸
2015.09.08どうもこんにちは、Tuck @_tuck4 です。
京都を中心に関西の職人さんを撮影、取材していくことになりました。今回紹介させていただくのは、滋賀県のご自宅に工房をお持ちの伊庭拓也さんです。伊庭さんはかんざし・帯留めなどの和装小物、アクセサリーを制作される金属工芸職人さんです。
太さ約0.2mmの銀線を撚う「銀線細工」と呼ばれるその技法は、これぞ伝統工芸といった繊細さ。特別に工房見学、撮影をさせていただいたので、写真とともにお届けしますね。
「京もの認定工芸士」とは
伊庭さんも認定されている、この「京もの認定工芸士」は、京都府が認定する、若手職人のための称号です。平成27年3月の時点で、117名の京もの認定工芸士が誕生しているとのことです。
参照 : 京都府Webサイト
話を伺って面白かったのが、審査にはビデオレターの項目があって、いわゆるプレゼンテーション能力も問われるとのこと。未来の伝統産業を担うということは、机に向かって制作しているだけではつとまらないわけですね。
工房見学へ
というわけで、工房見学です。職人さんというと無口で気むずかしいイメージがつきまとうわけですが、伊庭さんは工房が自宅ということもあり、結果としては「知り合いのお家に遊びにいってきた」感覚を持ってしまいました笑。
素人には何に使うのか全くわからない工具や機械が、ひとつひとつ丁寧に説明していていただくうちに愛着を感じてしまうんですよね。ちょっと夢中で写真を撮ってしまいました。
机もご自身の使いやすいようにカスタマイズ。もうこうなってくると根っからの職人です。
そもそもの金属工芸職人になるキッカケなんですが、若かりしころの「なんとなく行きたかった」というスペイン留学の際に、たまたまアクセサリー作りを体験したことがルーツにあるそうです。その時まで物作りとは無縁だったといいますが、帰国後は京都にて金属工芸を学び、2005年に独立。現在ではこのご自宅の工房で日々制作されています。
三越、伊勢丹、高島屋など関西を中心に取り扱い店舗がありますが、個人で直接注文されるお客さんも多いとのことです。帯留め、かんざし、イヤリングなどなど、ずっと見ていられそうな美しさでした。花のモチーフにいたっては、美しい表現を追求して華道の師範免許まで取られたというこだわり!
ちなみにオーダーメードの指輪も制作されます。これは指輪の内側へ文字入れするための工具なんですが、実際の仕組みを見れて感動しました。
製作に関するお話だけでなく、販売イベントでの体験談などいろいろとお聞きできて楽しかったです。ふだんは工房にこもって誰とも話さないとのことなので、無口で気むずかしいどころか、めちゃめちゃ話されてましたけどね笑。
開催されたワークショップで作った銀小物が窓際に。なんですかこれめっちゃ可愛いじゃないすか。
最後に
いかがでしたでしょうか。伊庭さんの制作にたいする姿勢や考え方は、写真の道をいくじぶんにとっても大きな収穫がありました。この記事をきっかけに伝統技巧を使ったアクセサリーに興味を持たれた方は、伊庭さんのWebサイトをチェックしてみてください。
Webサイト : 銀峰工房 Traditional Accessories by Takuya Iba
Work in Progress
「Work in Progress」は、「働く人」をテーマに写真で表現していくプロジェクトです。
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