ルクセンブルクの魅力
2017.12.01どうもこんにちは、保井崇志 @_tuck4 です。
「ルクセンブルク」と聞いて、どのくらいの方がその場所を思い浮かべることができるでしょうか。
ルクセンブルクは、フランス、ベルギー、ドイツに隣接するヨーロッパの小さな国です。大きさは神奈川県ほどで、人口約58万人。その人口のうち45%が外国人という、とても多様性のある国です。
そんなルクセンブルクへ写真を撮りに行くことが決まったのが今年の6月のことでした。打ち合わせで訪れた市ヶ谷のルクセンブルク大使館では、なみなみならぬ熱意でルクセンブルクの良さを語られたものです(4人がかり笑)。
近しい人、何人かに「今度ルクセンブルクに写真を撮りに行くよ〜」といったときも、「あードイツの都市だよね」(違う)、「あー北欧ブームだしね」(うーむ違う)と、そんな反応でした。
じぶんも今回のご縁がなければ知らないままで終わった国かもしれません。というわけで、約一週間の滞在で見つけたこの国の魅力を、写真多めで(97枚!)お伝えしてまいりましょう。
いざルクセンブルクへ
実際にルクセンブルクを訪れたのが7月の中旬。それほど暑くもなく、写真を撮り歩くにもパーフェクトな気候でした。日本からは成田からパリまで11時間、トランジットでさらに1時間のフライトです。
ほぼすべての日程で現地のルクセンブルク観光局 Luxembourg for Tourism(LFT)のスタッフがコーディネートに入ってくれました。
ルクセンブルクの人は、基本的に4カ国語しゃべります(ルクセンブルク語、フランス語、英語、ドイツ語)。一カ国語くらい分けてほしいですね。なんならスペイン語やオランダ語など、5カ国語以しゃべる人もいるんです。「夢を見たときとか何語なの?」って聞いたら、「その時々でバラバラだよ」って言ってました。そりゃそうか。
ルクセンブルクの旧市街
今回泊まったのは「Hotel Simoncini」市内中心部のお薦めホテル。オーナーは詩人でもあり、モダンアートのためのギャラリーも併設しています。
ルクセンブルクの市内は、旧市街と新市街が隣接していて、ホテルから15分ほど歩くだけで、緑豊かな古い街並みが広がります。
旧市街はどこを撮っても絵になりますね。観光客がほとんどいないのも最高です。(観光客を増やすために来てるのですが)
時間帯を変えて夕暮れもまた良い感じ。季節を変えても素敵なんだろうなぁ。ほんと撮ってて飽きないです。
活気あふれる新市街地
ルクセンブルクはヨーロッパを代表する金融立国。世界有数のお金持ちの国なんです。街を観察していればそれも納得。ゴミのほとんど落ちていない道や、綺麗な公衆トイレ、道行く人もどことなく上品です。
旧市街の味のある街並みも素晴らしいんですが、根っからの都会人間なので、この新市街の活気が嬉しい。
お酒を飲まないじぶんにとって、とても重要なコーヒーの拠点もちゃんとあります。現地の人も「最高のコーヒー」と推してくれた、中心地の人気コーヒー店「Coffee Shop Knopes 」。すごく居心地が良くて滞在中2度足を運びました。
ルクセンブルクは食事もすごく美味しくて、まずは市内でランチに訪れた「Kaempff-Kohler」をご紹介。現地の人も「ドイツとフランスの良いとこ取りしてるんだぜ!」と胸をはります。
城を見に行く 〜ヴィアンデン城へ〜
ルクセンブルクには数多くの中世の古城が残されています。なかでも有名なのがこのヴィアンデン城。
ビューポイントへは、リフトに乗って上がっていきます。これがなかなか楽しくて、すれ違う人(降りてくる人)とのちょっとした交流も。
城下街(ヴィアンデン)とお城の対比がナイス。しかしまぁ緑豊かな国ですね。ちなみに今回のメインビジュアルの写真は、ヴィアンデン城の中から撮ったものです。こうやって並べると分かりやすいかな。
そう、ヴィアンデン城は中の見学もできるのです。展示物もまた想像力を刺激しますが、お城の中ってだけでテンション上がりますね。光の入り方が良いんだなこれが。
何かの催事があるのか、それっぽい服装を着た人たちがそこかしこで準備していました。後から聞くと珍しいことみたいで、LFTの人も興味深そうに写真を見ていました。
城に泊まる
お城の中ってテンション上がりますね、ってことで、なんとお城に泊まることにしました。といってもちゃんとリノベーションされている4つ星ホテル。「Château d’Urspelt」Webサイトが日本語で読めるのがすごい!ぜひ見てあげてください。
まさか城に泊まる時が来ようとは。写真はオーナーのヤニック。ヴィアンデン城などは、彼に連れて行ってもらったのでした。めっちゃ酒飲みだけどナイスガイ。
ルクセンブルクに限らず、「旅=写真を撮りに行く」なので、基本的にホテルでゆっくりすることってないんですよね。引退して写真を撮らなくなったら(そんな時が来るかな?)、ホテルでゆっくりする旅をしたいなぁ。もちろんこのお城にも戻ってきたい。ディナーも美味しかったです。お魚!
古城で見る写真展 〜クレルボー城〜
なにかとお城にゆかりある国ルクセンブルク。クレルボー城では写真展が見られます。ルクセンブルク出身の写真家エドワード・スタイケンのコレクション「Family of Man」。大戦後、ニューヨーク近代美術館の写真部門ディレクターとなったスタイケンが1955年に、そのニューヨーク近代美術館で企画した写真展です。
その後、企画展コレクションは母国ルクセンブルクに寄贈され、このクレルボー城に永久保存されています。
古城の中でその伝説の写真展を見るという贅沢さよ。世界の、人間の営みの縮図のような、重厚なインスタレーションでした。図録も即購入。帰国してから立ち寄ったGINZA SIXの蔦屋で普通に売ってましたけどね。それほど有名ということ。
エシュテルナッハ旧市街
エシュテルナッハは、ルクセンブルク旧市街とはまた違った雰囲気を醸し出す旧市街。「小スイス地方」とも呼ばれ、建国の祖ジークフロイト伯爵ゆかりの地です。
街にはいくつか教会があり、今回は聖ウィリブロード修道院の中を見学しました。
時間の止まったような厳かな教会内で息を潜めながら写真を撮ったりしながら、外へ出ると賑やかな人の営みが。旧市街で暮らす生活に思いをはせます。
ベルヴァールの近代都市
緑と古城、旧市街の雰囲気などを堪能してきましたが、それらと良いコントラストとなるベルヴァールという街も紹介します。
ベルヴァールには国内唯一の大学、ルクセンブルク大学のキャンパスがあります。多言語国家 、人口の約半数が外国人とあって、大学にも留学生が多いとのこと。
戦後、ルクセンブルクの経済を牽引していたのは鉄鋼業でしたが、時代の流れとともに金融立国を目指すことになります(そしてそれが成功している)。ここベルヴァールではその鉄鋼業の盛んだった歴史を見ることができます。ヘルメットをかぶって製鉄所を見学。
お気に入りのお店とワイン畑
このままいくと際限なくなってしまうので、どうしても紹介しておきたいお店と、ワイン畑について。
ランチで訪れた「Heringer Millen」、ここで食べたポークが美味しかったです。チョコレートケーキも最高。ルクセンブルクでの食の満足度は基本的に高かったんですが、個人的にはここがいちばん好きでした。
知られざるワインの産地でもあるルクセンブルク。南東部、ドイツとの国境を流れるモーゼル川に沿って40㎞以上もブドウ畑が続き、2000年以上前からワイン造りが行われてきたとのことです。
じぶんは全然お酒が飲めないので試飲は遠慮させていただきました笑。ワイン畑にポツポツと民家があるのがヨーロッパらしくて素敵。
国境の感覚がなくなる
ルクセンブルクからフランスのパリへは電車で2時間ほど。ちなみに帰りはパリに2日ほど滞在しました。撮影中も何度かドイツの国境を越えることもあり、お城のホテルオーナーのヤニックも「住んでるのはベルギーなんだよね」という感じで、なんというか国境の感覚がなくなりますね。4カ国語が普通って時点でもうすごいんですけど。
ある意味多文化ヨーロッパを存分に肌で感じた滞在となりました。
最後に
というわけでお伝えしてまいりました、ルクセンブルク旅行記。都合でカットした場所もあるのですが、一週間の滞在です。さすがに一記事でまとめるとボリューミーなりますわ。
滞在中に感じたことですが、例えばの話。フォトグラファーとしてのキャリアが今後数十年続くとして、その何年かを海外で住むとしたら・・・。そんなアイデアは常に頭の中にあります。もしかしたら、近い将来ルクセンブルクに住んでたりして?
安全で緑も豊かで、経済的にも発展しているし、地図で見るとヨーロッパのど真ん中。拠点としては条件が揃いすぎてますね。・・・リップサービスが過ぎたかな笑。少なくと基準にはしたいと思います。
今回写真を撮ったのは、ルクセンブルク政府と、日本橋浜町のHama Houseの「ルクセンブルクカフェ」というコラボプロジェクトの一環になります。カフェにて今回の写真を大きく引き伸ばして展示してあり、期間限定ルクセンブルクフードメニューも。
この記事を読んで興味を持った方は、ぜひ日本橋浜町に遊びに来てください(ルクセンブルクカフェは〜12月17日まで)。Hama Houseはわたくし保井のオフィスでもあるので、わりと常駐していますので。
カフェや写真展を通じて、まだまだ日本人には知られていないルクセンブルクの魅力を知っていただけたら嬉しいです。
[template id=”93″ Footer]