FUJIFILMとVSCO filmのコラボレーション

2016.07.03

Takashi Yasui

どうもこんにちは、保井崇志 @_tuck4 です。

おかげさまでこのRECOも多くの方に読んでいただき、お会いする方からも「RECOの更新楽しみにしてます」なんて言ってもらえて嬉しく思います。いやほんと、時間かかってるんですよ、RECOの記事書くの・・・笑。

じぶんの記事を読んで感想を言ってくださる中で突出して多いのが、「記事を読んでFUJIFILMにしました!」と、「VSCO filmの使い方、参考にしてます!」の2点です。

FUJIFILMに関してはカメラやレンズのレビューを、VSCO filmはLightroomの使い方とあわせていRECOで紹介しています。特にVSCO filmについては、国内でまだ広まっていない時期から使って、かつ使い方を発信していたこともあり、継続して記事を読んでいただいています。

【レビュー】FUJIFILM X-T10キタコレ

【Lightroom 実践講座】プリセットについてと「VSCO film」レビュー

FUJIFILM使ってます、VSCO film使ってます、と言ってくださる方でもう一つ多いのが、実は「同じカメラなのにTuckさんのように仕上がらない」という声です。これについては、だいたい原因がわかっているのですが、今まで面倒なので教えていませんでした。(すみません笑)

結論から言うと、Tuckの出している色は「FUJIFILM」と「VSCO film」のコラボレーションということになります。というわけで今回その現像フローを公開しますね。

RAWで撮影する

RECOを読んでいる、FUJIFILMを使っている、VSCO filmを使っている、という3つの条件に当てはまる方は、ある程度の写真歴のある方だと想定しています。JPEGとRAWの違いについてはご自身で調べてください。

さて撮影なんですが、わたくしTuckももちろんRAW撮影です。今回の例としてこの写真で説明していきましょう。

Tuck-DSCF0130

こちらはRAW撮影してそのままLightroomに読み込んだ状態の写真です。夕日の空の色を残すために少しアンダーに撮影しています。ここで重要なことは、このままVSCO filmのプリセットをあてはめて現像してはいけないということです。そうしてしまうとFUJIFILMを使う恩恵を得られないからです。

RAW現像でやること

じぶんがFUJIFILMのカメラを使う最大の理由が、「色のトーンが素晴らしい」ということです。RAWというのはその名の通り「生」の状態。この状態ではFUJIFILMの色は乗っていないんですよね。

じゃあどうするかというと、Lightroomの現像モジュールの右カラム、一番下に「カメラキャリブレーション」というのがあります。その中の「プロファイル」から「PROVIA/STANDARD」を選択します。

Tuck-スクリーンショット_2016-07-03_8_11_48

こうすることでFUJIFILMの色が乗ります。かつ、ハイライト、シャドウなどはRAWファイルの段階で調整しておきます。。RAWはJPEGよりも情報量が多いので、露出を適正にするのはRAWの段階でやっておきましょう。

Tuck-スクリーンショット_2016-07-03_8_12_17

結果的にこうなりました。FUJIFILMの色が乗って、東京タワー以下の街のシャドウも持ち上がり適性な状態になっていますね。

Tuck-DSCF0130-2

いったんJPEGに書き出す

そしてこの状態でいったんJPEGに書き出します。JEPEGに書き出すさいは、RAWファイルと保存場所を分けるために、書き出し先のフォルダー指定を行います。書き出し画面の一番上から設定できます。

Tuck-スクリーンショット_2016-07-03_8_12_56

書き出し先を「元写真と同じフォルダー」にして、「サブフォルダーに保存」もあわせてチェック。わかりやすいフォルダー名を設定しておけば、ファイルを書き出したさいに勝手にフォルダーを作って、その中にJPEGファイルが入っているという結果になります。

元のRAWファイルが入っているフォルダーが「2016-06-18」で、その下階層に「JPEG」フォルダーが作成されているのがおわかりでしょうか。

Tuck-スクリーンショット_2016-07-03_8_13_53

Lightroomのライブラリ上で見ると、RAWファイルとJPEGファイルは同じなので、こうすることで、「この写真のJPEGどこいった?」と混乱せずにすみます。

もう一点、このフローが良いのは、結果的にJPEGで書き出した写真は採用写真となることです。この例で言うと6月18日に250枚(233枚)の写真を撮って、17枚の採用写真が生まれたことになりますね。採用少なっ。

VSCO filmを使う

さて書き出されたJPEGファイルを選択して現像モジュールへ。ここで初めてVSCO filmを使うわけです。今回はわたくし愛用の「Kodak Portra 400 VC」を乗っけます。

Tuck-DSCF0130-3

VSCO film乗せてからも細かい調整を行うのですが、さすがにそこは企業秘密ということで。

ご覧のモニター環境もあるので、わかりにくいかとは思いますが、一連の流れを1枚にまとめたのが以下になります。

Tuck-DSCF01302

最後に

いかがでしたでしょうか。結果的に「RAWで撮影して、JPEGで現像している」といっても良いような不思議な状態になりますが、今回のフローで現像していただければ、じぶんのような写真のトーンに近づけます。

とはいっても、ただコピーするだけでは面白くないので、ご自身のトーンを追求してみてください。もちろんFUJIFILMの色のままでも十分美しいですし、VSCO filmを使う使わないは人それぞれだと思いますよ。

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Takashi Yasui
Photo & Text by 

2010年に趣味で写真を始める。Instagramとの出会いがキッカケで、2015年にフリーランスフォトグラファーに転身。Instagramを通じての企業案件やアーティストの撮影など、新しいフォトグラファー像を追求している。