ライカズマール50mm F2.0「Ernst Leitz Summar 50mm F2.0」レビュー
2015.11.27Hisa Foto @hisafoto です。
前回のエルマーに続き、ドイツのライカ(当時のライツ社)が、1933年に発売したレンズの紹介とレビューをしたいと思います。
第二次大戦前のこの頃、技術として一歩先をいっていたカールツァイスのレンズに対抗するために作ったとされるライカスクリューマウント(Lマウント)、4群ガウス型F2.0の大口径レンズ、ズマール。
当時の批評としては、写りの悪い「痴玉」、「ボケ玉」と散々な揶揄を受けたそうです。挙げ句の果ては、設計者も失敗作と認めたとか、、、
この時代のライツ社として、レンズ技術に未熟なところがあったのでしょうか、設計に少々無理があったというのが通説のようです。
そんな状況でも、次に改良型として発表されるズマールという大口径レンズまで10年以上販売されていたことを思うと、ドイツの戦中の混乱期を支えた頼もしいレンズである事は確か。
さて、詳しい方には語り尽くされた本題かもしれませんが、このレンズの私なりのレビューです。外観は明るいレンズの割に小型。エルマーと同じく小さく収納できる沈胴型。絞り形状が特徴的で絞ると六角形になります。
そして写りは、唯一無二。コンディションの具合によって、かなり差があるようですが、共通する特徴はコントラストが低く、淡い。まるで水彩画のようだと形容される所以です。
全体はフワッとソフトな写りになりますが、仮に敢えて逆光のアングルで撮ったとしても、ピントの合っている部分がとても精密で繊細に描かれるので、単なるぼんやりした写真にならず、芯があるので意外に立体感がでます。
レンズを再研磨すると、フワッとが無くなってかなりシャープなレンズに生き返るとか。
オススメシチュエーション 1
植物を始めとする自然物。フワッと柔らかい印象が被写体を優しく演出します。
オススメシチュエーション 2
ずばりポートレート。
決して美しくありませんが特徴的なボケが、印象的な背景として被写体を演出します。前述の通り、ピントが合うところは線が細くシャープ。
私はあまり意識せず使っていますが、コントラストが低いのでモノクロ向けではあります。逆光には極端に弱いので、フードの取付けを強くオススメします。
ライカのレンズとしては安価な部類なので、マウントアダプタを使ってデジカメ、或いはフィルムカメラで一度お試しあれ!
ライカエルマー50mm F3.5「Ernst Leitz Elmar 50mm F3.5」レビュー
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