カメラとドローンで切り取る「やばけい遊覧」
2018.06.11こんにちは、市川 渚(@nagiko)と申します。
先日、大分県の耶馬渓(やばけい)に行ってまいりました。旅のお供は愛機のSONY「α7ii」とDJIのドローン「Mavic Air」。空と地上の2つの視点から耶馬渓の雄大な自然をご紹介します。
耶馬渓(やばけい)とは?
耶馬渓は「日本新三景」のひとつ、大分県中津市を流れる山国川が溶岩の大地を侵食してつくりだした奇岩が連なる景勝地です。昨年には、この一帯を「やばけい遊覧」として、文化庁が認定する「日本遺産」にも選ばれました。
奇峰、岩窟、渓流といった見どころが点在しており、どの場所を切り取っても、まるで山水画のような美しい景色がファインダーに広がります。
逞しい岩肌と木々の緑からなる独特な景観を見つめていると、まるでどこか外国に来たかのような感覚に……。
博多から中津・耶馬渓へ
さて、耶馬渓のある中津市へは、博多から特急「ソニック」に載って80分ほどで到着します。
「たどり着いた先には、雄大な自然が待っているんだ……!」と耶馬渓に思いをめぐらせながら、降り立った最寄りの中津駅。想像よりもずっと都会(街)でした。
突然現れる奇峰、古羅漢
地域に精通した中津市教育委員会の方のご案内で、まず向かったのは本耶馬渓にある「古羅漢」。耶馬渓を南北に貫く国道500号線をクルマで走っていると、突然、屏風を広げたような形の巨大な岩山が現れます。
この古羅漢、ふもとから雄大な姿を楽しむのもよいのですが、この岩山自体を登って、よりアクティブに楽しむことも可能です。山上まで遊歩道が整備されていて、往復1時間もあれば、登って降りてくることができるようになっているのです。
ただし、こんなチェーンを伝って、断崖絶壁を上っていくことになるので、それなりの装備で挑むのがおすすめ。ちょっとした冒険気分が味わえます。
岩窟部分にはその昔、修行としてこの岩山を登った人たちが使っていた木造の堂宇が残ります。ぽっかりと穴があいた岩窟上部の橋のようなかたちの部分を「天人橋」と呼ぶらしいのですが、これ、天然のものだそう。
頂上でまで登りきったのちに、下を見ると、崖を掘ってできた岩窟に五輪塔が並んでいました。どうやってここまで持ってきたのでしょうか……。
場所を移して上の写真の岩窟から、頂上にある「国東塔」を望む。この塔は室町時代につくられたものだそうです。
厳かな空気漂う、羅漢寺
古羅漢を満喫したのち、羅漢寺へ。前出の古羅漢はたもとにトンネルがあり、そのトンネルの先にある「羅漢寺」の山門のような役割を果たしています。
お寺自体の写真撮影は禁止だと伺っていたものの、折角なので是非、とご案内いただきました。
レトロな一人乗りのリフトに乗って、お寺へ向かいます(別ルートから、徒歩でも上がることができます)。
リフトを降りて森の中を進むと、岩のトンネルが。
明らかに周囲に漂う空気が変わります。そう、ここから先は撮影禁止ゾーン。
羅漢寺の境内には、五百羅漢や千体地蔵など、3700体もの石仏が安置されており、手彫りの岩窟にズラリと並ぶその姿は圧巻。天までつながっているかのような石段と岩でできた羅漢山の岩腹に張り付くように建てられた山門や本堂。
この独特な地形と中国の羅漢の聖地「天台山」にその姿を重ね、信仰の場として大切にされてきたそう。
写真でご紹介できないのが残念ではありますが、ファインダーを覗くことができなかったからこそ、その景色は今も脳裏に鮮明に焼き付いています。
白い岩と青い渓流が美しい、猿飛千壺峡
羅漢寺から少し車を走らせて、市内を流れる山国川の上流へ。
「猿飛千壺峡」は、長い年月をかけて、自然の激しい渓流が岩を削ってできた甌穴群。ちょっと変わった名前は山猿が岩から岩へと飛び回っていたことが由来。
白い岩と蒼い清流のコントラストが美しい。
紅葉の季節には周囲の木々が鮮やかに色づく、紅葉の名所でありつつも人が少ない穴場なんだとか。
渓流の周囲には遊歩道が整備されており、下流へお散歩しながら下っていくこともできます(もちろん駐車場も整備されているので、クルマでもOK)。
猿飛千壺峡から600メートルほど下流へ。
こちらは「魔林峡」という渓谷。
先程の猿飛千壺峡よりもかなり高さがあり、岩を削ってきた渓流の流れの激しさと自然がもつ力の偉大さを感じさせられます。
そして、とにかく水が綺麗……!
天然の一枚岩が生む清流、大谷渓谷
こちらは深耶馬渓にある「大谷渓谷」。天然の一枚岩が10km(!)続く渓谷。水深は5〜15cmほどなので、徒歩で水の中をお散歩することができます。
この日はみんなで長靴を履いて。
夏場は裸足でジャブジャブと水しぶきをあげて、お散歩でも。
近所には、温泉付きのキャンプ場も整備されています。近場にあったら毎週来たい……。
季節の移ろいと共に楽しめる耶馬渓
今回は少し時期が早く、見ることができなかったのですが、初夏(6月初旬)の夕暮れには沢山のホタルが水辺を照らす幻想的な景色が楽しめるそう。秋には紅葉、春には満開の桜。季節によって、全く違う表情を見せてくれるのも、耶馬渓の魅力です。
また、どのスポットも近隣に駐車場が整備されていて、アクセスが容易なのも◎。立地的に、湯布院や別府といった大分の温泉地へ向かう前に1日確保して、レンタカーで立ち寄るのにもぴったり。
今回はちょっと早い夏休みを満喫させていただいたので、また紅葉の時期にでも、再訪したいと思っています。
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