ライカズミタール50mm F2.0「Ernst Leitz Summitar 50mm F2.0」レビュー

2017.05.26

Hisa Foto

Hisa Foto @hisafoto です。

ライカレンズのレビュー、3回目の今回は1939年に前述のズマールの後継として発売された50mm標準レンズ、ズミタールです。

17年間販売されたとあるこのレンズ。初期は、絞りの形状がズマールと同じ、六角形。後期になると、絞り形状が真円になり写真の発色が良くなるためのコーティングが施される様になっているようです。要は一重にズミタールと言っても形まで含め個体差が大きいのがポイントです。

オールドレンズとの出会いは常に一期一会な訳ですね。70年前にできたレンズがいろいろな方の記録する目となり、今自分の手元にあると思うと改めて感慨深いものです。私が持っているのは真円のコーティングありのもので、若干ですが逆光に強く、発色が良くなっているようです。

オールドレンズにありがちですが、開放のF2.0では背景がグルグルと流れるような独特なボケになります。手前のボケはソフトフォーカスような写りに。これって224さんのヘリオス44とも似ています。

これは正直好き嫌いのあるクセのあるものですが、F4あたりで自然なボケになり、F5.6〜8あたりまで絞ると繊細な描写ができる優等生になります。

現代のレンズと比べると発色は劣りますがトーンはかなり豊富に出ます。この多重人格を使いこなせれば、活用できるシーンは多分にあると思います。

実は以前ライカデビューした頃、割とすぐ買ったのがズミタールの更に後継者であるズミクロンでした。解像度は凄まじく、且つ繊細、ボケも自然、そのくせで味わいもある。非の打ちようがないレンズでした。それが故に何か物足りなくてすぐに手放したのです。

オールドレンズとは、現代のレンズにはない何か欠落したあれ?って感じが醍醐味と自分は考えているのです。

古いレンズに惹かれるのは、レンズ自体で固有のネーミングがあること。ズミタールなんて呪文のような名前、ラブリーで愛着が湧きます。

そしてコストを惜しまないプロダクトとしての工作精度。メンテナンスさえすれば単なる骨董品ではなく、半永久的に使える道具としてあなたの写真生活の生涯の伴侶になるかもしれません。

マウントアダプタを用意があれば、デジタルの世界でも、気軽に悠久の時を経たレンズを通したシーンが写し出すことができるって少し不思議で楽しいと思うのです。

これまでのライカレンズのご紹介

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