【Lightroom 実践講座】段階フィルターと円形フィルターについて

2015.08.03

Takashi Yasui

どうもこんにちは、Tuck @_tuck4 です。Lightroomの連載も、いつの間にか第5回。Lightroomの使い方や便利な機能をお届けしています。今回は段階フィルターと円形フィルターの使い方。これらを使いこなすことができれば、現像することを想定しながら撮影できるレベルに達してくるかと思います。

[最終更新 2015/08/03] バージョン Lightroom CC 2015 / Windows

段階フィルターの活用例

段階フィルターとは、グラデーションで効果がつけられますよ、というツールです。さっそく作例を見ながら解説していきましょう。

Tuck-DSCF8602

これは六本木ヒルズの展望台から撮った写真です。東京タワーが点灯する前の、いわゆるマジックアワーですね。空に露出を合わせてあるので街の部分が暗くなってしまいました。露出量で明るくすることも出来るのですが、写真全体を明るくしてしまうと、せっかく良い感じの空まで明るくなってしまいます。こういったケースで段階フィルターを使います。

skitch-052

向かって右のヒストグラムの下に段階フィルターを選択する箇所があります。段階フィルターを選択したら、効果をつけたい方向に向かってマウスをスライドしていきます。スライドの幅でグラデーションの濃淡が調整できるので、ケースバイケースで幅を変えてみてください。

skitch-053

写真の下部の「選択したマスクオーバーレイを表示」にチェックを入れれば、効果の現れる場所が確認できます。通常はチェックは外して効果を見ながら各種項目を調整しいく感じですね。

段階フィルターで調整できるのは、通常の「基本補正パネル」にある項目に加えて、「シャープ」「ノイズ」「モアレ」「フリンジ軽減」があります。あ、でも「自然な彩度」がありませんね。カラー効果も使えますが、個人的にはこれ出口がなくて迷い込むので使いません笑。

この写真では、(露出量+0.7 | シャドウ+40 | 明瞭度+15)にしてみました。

Tuck-DSCF8602-2

というわけで、こうなりました。空の部分は残したまま、街の部分も適正まで持ち上げられましたね。六本木ヒルズで、カップルに挟まれながら撮った写真が失敗では悲しいので、めでたしめでたし笑。

円形フィルターの活用例

さて、次は円形フィルターにいきましょう。段階フィルターと基本的な使い方は同じですが、グラデーションが円になるとまた現像の幅が広がります。

Tuck-DSCF9015

でました、桜の写真。せっかくの桜なので、もう少しピンクな感じが欲しいところですね。これまた全体で調整してしまうと、女性の手やセーターの袖口まで赤くなってしまうパターン。というわけで、円形フィルターに活躍してもらいましょう。

skitch-055

円形フィルターは段階フィルターの右側にあります。同じようにマウスをスライドすれば円の大きさや角度を変えることができます。

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女性の手に円の中心を持って行き、(色かぶり補正+40 | 彩度+15)とします。これで女性の手以外の桜の部分に赤みを加えることが出来ました。

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円形フィルターには、段階フィルターで調整できる項目に加えて、「ぼかし」と「マスクを反転」の項目があります。「ぼかし」はスライドすることで円の境目の強弱を調整できます。「マスクを反転」は円の内側か外側かのどちらに効果を持ってくるか選択できます。

この写真では、さらにもう一つ円を作って、この「マスクに反転」にチェック。女性の手を少し明るくしておきましょう。(露出量+0.2 | 白レベル+50 | 彩度-10)

Tuck-DSCF9015-2

うん、良くなりましたね。じぶんが写真を撮り始めた頃の桜の写真を見返してみると、人や服まで赤くなってしまっているんですよね。早くLightroomを使っておけば・・・!例に出した美白はもちろん、部分的に彩度を下げたい、明瞭度を上げたい、など使うケースは多いので、ぜひ活用してください。

ブラシで調整する

じゃあ美白をついでにもう1枚。この写真ではブラシを使って調整するパターンを紹介します。

Tuck-DSCF3092

先ほどと同じように円形フィルターを使って手だけを選択しようにも、円形なので手に持っているコーヒーまで露出が上がってしまうことになります。こういったケースはブラシを使うと便利です。

skitch-059

まずは選択して「マスクを反転」。やはりコーヒーも選択範囲に入った状態になります。そこで、円形フィルターのパネル上部から「ブラシ」を選択します。

Tuck-skitch_058

「ブラシ」を選択すると下の方にブラシの項目が現れます。ここで「消去」を選択すると消しゴムのように選択範囲の一部を消すことが出来ます。この写真ではコーヒーの部分を丸く消してしまいます。この状態で(露出量+0.2 | ハイライト+40 | 明瞭度、彩度ともに-10)

Tuck-DSCF3092-2

というわけで、コーヒーやテーブルの明るさはそのままで、女性の手だけを明るくすることが出来ました。

最後に

いかがでしたでしょうか。参考として各種項目の調整した数値も紹介しましたが、もちろんそれぞれ好みのアプローチで調整してくださいね。

Photoshop CSを使っている方も、この段階フィルター、円形フィルターを使うことで、よほどの写真でない限りLightroomだけで現像が完結できると思います。スピードアップのために、ぜひ活用しまくってください。

Lightroom実践講座

【第1回】Lightroom 実践講座 ーカタログの概念と写真の読み込みについて

【第2回】Lightroom 実践講座 – コレクションについて

【第3回】Lightroom 実践講座 – プリセットについてと「VSCO film」レビュー

【第4回】Lightroom 実践講座 – 便利すぎるショートカットキー

【第5回】Lightroom 実践講座 – 段階フィルターと円形フィルターについて

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Takashi Yasui
Photo & Text by 

2010年に趣味で写真を始める。Instagramとの出会いがキッカケで、2015年にフリーランスフォトグラファーに転身。Instagramを通じての企業案件やアーティストの撮影など、新しいフォトグラファー像を追求している。